変額年金ってどんな年金なの
変額年金保険と定額年金保険・投資信託の違いを理解して
変額年金保険が1999年4月に発売されて銀行や信託銀行、証券会社でも販売されています。
1)~8)がメリット9)~13)がデメリットです。
国民年金・厚生年金などの公的年金や厚生年金基金など企業年金も老後の生活費として利用できますが、急速な少子化、高齢化によって公的年金制度自体が不透明となってきており、その上支給額は必ずしも余裕ある老後の資金として足るものではありません。また、(老後の生活費は生命保険文化センターの調査によると約39万4000円必要といわれております。)
自分の老後の生活費を自分のために積立、自助努力で準備するのに適した保険商品として注目されるゆえんです。
従来の個人年金が「逓増型」の受取方式や配当に上積みが期待できるとは言うものの、契約時の基本年金額が年金受取時の基準となるため契約時の予定利率以上の効果は期待できません。いわゆるインフレリスクに対して弱かった欠点を株式や債券等にバランスよく分配しインフレ対応商品を組み入れることにより自分で投資先を選択し運用することで解決を図ろうとするものです。
銀行などの貯蓄商品や企業年金では終身にわたって受給を受けられませんが、変額年金保険の場合は確定年金のほか「終身年金」も選択可能です。
税制適格の商品である場合には最大年間5万円の所得控除が受けられます。
年金受取時まで繰り延べされます。運用先が同じ商品ですが「投資信託」のように途中(分配益・売却益)で課税されることはありません。(この複利効果は大きい)
変額年金は運用先のファンドを自由に選択でき、分散投資が容易です(通常10種類くらいの運用先が用意されています。)また、購入時に販売手数料がかかりませんので、投資信託(約3%の販売手数料が開始時に差し引かれてスタートとなります)などより有利です。投資信託は購入した後に変更したいと考えると売却・購入といった無駄が生じます。変額年金保険は投資信託間の組み入れ比率の変更を通常年間15回程度は無料でできます。それを超えても1回2,500円程度の負担です。また投資信託では借入ができませんが、変額年金では払戻金額の50%程度は借入もできます。
保険会社によって異なりますが(銀行の販売している商品は死亡保障がついて無いものが多い)、年金開始前の死亡時には死亡給付金または積立金の多いほうが支払われ支払保険料を下回ることはありません。この死亡保障を90歳まで延長することで運用リスクを死亡保障で回避することができる保険会社もあります。)
年金受取開始後に死亡した場合は(未払金現価を一括してのみ支払う保険会社がありますので注意)死亡一時金を受け取らず年金の継続給付を選択した場合、年金受給権の評価で相続税が適用され例えば年金の残存年数が10年を越え15年以下だとその評価は50%となり相続税評価で大きな減税効果を生み出します。
健康でなくても加入できるのはメリットです。死亡時には保険金500万円×法定相続人1名の控除が適用されますので、保険の加入できない人が保険金の控除を受けるためメリットがあります。
また、払込金額に対し大きなメリットはありませんがラチェット型であれば、運用結果が一時でもよければ、増額した死亡一時金を受け取るメリットもあります。
変額年金保険は年金受取額に最低保障がないものが多く、高収益で運用ができればよいのですが運用結果が悪いと期待した金額が準備できないなど問題もあります。定額の変額年金保険ではこの心配がありません。また、変額年金保険でも払い込み保険料を最低保証する商品もありますが、保証がつくため運用先が一つで選択ができず自己責任をとらない分、経済の上昇過程ではデメリットとなります。海外の商品への運用には為替ヘッジのあるものとないものとがあります、為替ヘッジのないものは為替リスクも負担しなければなりません。
最低保険料を50万円から100万円とする会社が多く、その後に一定額を継続積立または一時金を増額できる会社もあります。
変額年金保険は投資信託と比べて手数料はやや有利といえますが、保険管理費用(年1.5%程度)や資産運用費用(年0.005%~1.5%・ファンドによって異なります)が生じます。
また基本年金額が一定に満たない場合契約管理費用、年金開始後の保険管理費用として1%程度が必要となっており関係費用が大きいのが気になります。
投資信託は信託財産として分別勘定され実質的に保証されている。
変額年金保険は通常7年から10年まで(各社によって異なります)に解約すると「早期解約控除」が適用され払込保険料額から所定の解約控除率(1年未満だと7%・7年未満だと1%など)が積立金から控除されます
ペイオフでの個人の自己責任認識の高揚や低金利での資産運用先の無いこと、銀行では収益源の枯渇、証券会社では株式安で販売商品がないことなどを背景とし販売規模は一挙に拡大しています。
しかし、売れ行きが良いということの裏に新たな問題が見えてきます。保有コストが最大では年間3%以上も必要な商品です。30年間では90%以上で運用できなければ、元本を割るということです。現在の環境下ではリスクをともなった運用商品を検討するよりも、保有資産をいかに減らさないで維持できるかも重要な課題といえるでしょう。
また、銀行は自社系列の投信会社の商品を一番多く販売し、証券会社では株式の受け皿として投資信託を販売し、投資信託で信任を問われると「変額年金保険」を販売するといった現状では「商品性」に大きな違いを持っている『変額年金保険』を預金といった大差ない商品や株式よりは安全性が高い(死亡保障がある・分散投資ができる)と言う理由だけで販売していいのでしょうか。いままでも、銀行や証券会社が自社の都合のみで貸付を行ったり、証券を販売したりしてきたことはいまさら証明を必要としません。全ての金融機関がそうとは言いませんがまた、同じことを行おうとしているように思えてなりません。
最後に運用商品である以上限界はあると思われますが、運用先の決定に際し販売者がどこまでリスクについて適切な説明できるか。投資信託は保有するか売却するかの選択しかできませんが、『変額年金保険では』スイッチングが無料ででき、リスクを軽減するメリットを享受できるチャンスがあります。しかし、現実には顧客側にその意識きわめて希薄で、購入時のまま放置しているといった現状のようです。販売側の顧客側への啓蒙活動や、きめ細かいサービスが求められているように思われます。
